再婚禁止期間訴訟

最高裁判所判例
事件名損害賠償請求事件
事件番号平成25(オ)1079
2015年(平成27年)12月16日
判例集民集第69巻8号2427頁
裁判要旨

一 民法733条1項の規定のうち100日の再婚禁止期間を設ける部分は,憲法14条1項,24条2項に違反しない。
二 民法733条1項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分は,平成20年当時において,憲法14条1項,24条2項に違反するに至っていた。
三 法律の規定が憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠る場合などにおいては,国会議員の立法過程における行動が個々の国民に対して負う職務上の法的義務に違反したものとして,例外的に,その立法不作為は,国家賠償法1条1項の規定の適用上違法の評価を受けることがある。
四 平成20年当時において国会が民法733条1項の規定を改廃する立法措置をとらなかったことは,

  1. 同項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分が合理性を欠くに至ったのが昭和22年民法改正後の医療や科学技術の発達及び社会状況の変化等によるものであり,
  2. 平成7年には国会が同条を改廃しなかったことにつき直ちにその立法不作為が違法となる例外的な場合に当たると解する余地のないことは明らかであるとの最高裁判所第三小法廷の判断が示され,
  3. その後も上記部分について違憲の問題が生ずるとの司法判断がされてこなかったなど判示の事情の下では,上記部分が違憲であることが国会にとって明白であったということは困難であり,
国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではない。
大法廷
裁判長寺田逸郎
陪席裁判官櫻井龍子千葉勝美岡部喜代子大谷剛彦大橋正春山浦善樹小貫芳信鬼丸かおる木内道祥山本庸幸山崎敏充池上政幸大谷直人小池裕
意見
意見櫻井龍子、千葉勝美、大谷剛彦、小貫芳信、山本庸幸、大谷直人、千葉勝美、木内道祥、鬼丸かおる
反対意見山浦善樹
参照法条
(1~4につき)憲法14条1項,憲法24条,民法733条,民法772条、(3,4につき)国家賠償法1条1項
テンプレートを表示

再婚禁止期間訴訟(さいこんきんしきかんそしょう)とは日本の民法733条「女性は離婚や結婚取り消しから6ヶ月を経た後でなければ再婚できない」との規定が日本国憲法に反するとして国家賠償を求めた民事訴訟[1]2015年平成27年)12月16日最高裁判所は原告の訴えの一部を認める違憲判決を下した。